ウールとは? カーテンでも使用されている素材の特徴やお手入れについて徹底解説


ニット製品に多く使われている、ウール素材。みなさんは、ウールの特徴やお手入れ方法についてご存知でしょうか?

その温かみのある見た目や肌触りから、何となく「秋冬に適した素材」というイメージがあるかもしれません。しかし、実際にどのような素材なのか、どうケアしたらよいのかわからないという方もいることでしょう。

そこで今回は、ウールの持つ魅力に焦点を当てながら、似た素材との違いやウールマークの種類、特徴などを徹底解説。さらに、ウール素材のカーテンの魅力や、取り扱う際の注意点についても詳しくご紹介していきます。

正しい知識を持って、お部屋のインテリアにウールを活用してみましょう。

ウールの意味とは

ウールは、シンプルに表現すると「羊毛から作られるニット素材」のことです。マフラーやコートといった洋服類に使われるウールもあれば、カーテンやカーペットといった生活雑貨に使用されるウールもあります。リネン(麻)やコットン(綿)と同様に、天然素材の一種です。

実は、ウールに使われる羊の種類は3,000以上といわれており、その種類によって毛質が異なります。つまり、一口にウールといっても質感はさまざまで、どの種類の羊毛が使われているのかで風合いや肌触りが大きく変わります。

とはいえ、ウールといえば基本的にはメリノ種と呼ばれる羊の毛を指し、その中でも特に、オーストラリア産のメリノウールは有名です。

ちなみに、広義には羊だけでなくアルパカやアンゴラヤギ、カシミヤヤギなども含めた毛繊維をウールと総称することもありますが、一般的に「ウール」と表記された場合は「羊毛や羊毛を使った織物」を指します。

ウールが持つ7つのメリット

ウールには、注目すべき7つのメリットがあります。どのような魅力があるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

①保温性・伸縮性に優れている

ウールの繊維には、クリンプと呼ばれる縮れが見られます。その部分にたくさん空気を含みながら毛が絡み合っているため、優れた保湿性と伸縮性を持ち合わせています。

②吸湿性が高い

ウールには、空気中の湿気を吸収する作用もあります。その水分を蒸発させる際に気化熱(周囲から吸収する熱)を奪うため、湿気が多い時期でも湿った感じがしません。

③シワがつきにくい

ウールは弾力性が高く、シワや型崩れがしにくい素材です。万が一シワになっても、蒸気を当てるとすぐ元に戻ります。

④汚れがつきにくい

ウールは撥水性にも優れており、汚れがつきにくい点も大きな特徴です。特に水溶性の汚れに強く、雨や泥汚れなどを効果的に防いでくれます。

⑤静電気を防ぐ

保水率が高いウールには、帯電しにくいという性質があります。そのため、冬に発生しやすい静電気を防ぐうえ、ホコリやゴミがつきにくい点も魅力です。

⑥色落ちや色褪せしづらい

ウールは染色性が高く、どのような色にも染めやすい素材です。その一方で、一度染めた色が浸透すれば色落ちや色褪せを起こしづらいため、きれいなカラーが楽しめます。

⑦自然汚染の原因になりにくい

天然素材であるウールは、土壌に存在する微生物によって分解されて土に還るため、自然汚染の原因になりにくいといわれています。ウール素材の製品を使うことは、環境保護の一環にもつながります。

こうして見ると、ウールは生活に取り入れるのに魅力的な素材であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。また、丈夫で劣化しにくく長く使えることから、実はスーツや学生服などにも多く使われています。

ウールのデメリットも知っておこう

ウールは優れた特徴を持つ繊維ですが、取り扱いに注意したい点もあります。汚れがつきづらく長持ちするといったウールのメリットを生かすためには、デメリットを知ったうえで正しく使うようにしましょう。

①虫食いにあいやすい

天然素材なので、虫食いにあう恐れがあります。保管時に防虫剤を活用するなど、虫食い対策を行う必要があります。

②毛玉ができたり縮んだりする場合がある

ウールの繊維はうろこ状になっていて、繊維同士が絡まりやすいです。そのため、使用していくうちに毛玉ができたり、洗濯によって縮んだりする場合があります。

「ウール」と「毛」の表示はどう違う?

ウール素材かどうかは、衣類表示に「ウール」と記載があるかどうかで見極められます。しかし、中には「毛」と表示されており、具体的に何の毛が使われているのかわからないケースがあります。

そこで覚えておきたい点が、「ウール」と「毛」の表示の違いについてです。「ウール」と「毛」は混同される傾向がありますが、実は意味が大きく異なります。

家庭用品品質表示法では、動物の毛であればどのような種類でも「毛」と表示できることになっています。衣類表示などで「ウール」と表記してあるものは羊毛を指し、「毛」と表示してあるものは動物の毛繊維全般を指します。たとえば、「毛100%」などと記載されている場合は、化学繊維ではない動物の毛を使用して作られたアイテムです。

ウールに似た素材

羊毛から作られるウールは、動物繊維に分類される素材です。動物繊維には、他にもカシミヤやモヘヤなど、さまざまな種類があります。また、化学繊維にもウールと似た特徴を持つアクリルという素材があります。ウールに似た素材の特徴もウールと一緒に押さえておきましょう。

カシミヤ

カシミヤヤギの毛を原料とするのが「カシミヤ」です。1頭のヤギからわずかな量しか取れないため、高級素材としても知られています。毛足は細くて長く、その柔らかな触り心地と軽さが特徴です。その軽さをいかして厚手のコートなどでも使用されています。

モヘヤ

アンゴラヤギというヤギの毛から作られる「モヘヤ」は、滑らかな質感とシルクのように美しい光沢が特徴で、耐久性にも優れた素材です。しかし、特殊な紡績技術が必要で、ウールよりも生産量が少ないとされています。

アルパカ

アルパカはラクダ科の動物で、モコモコ感が特徴のワカイヤ種と、柔らかく光沢があるスーリー種に種類が分かれます。スーリー種は生産量が少ないため、高級素材となっています。

アクリル

ふっくらと柔らかい、保温性があるなど、アクリルはウールに似た性質を持つ合成繊維の一種です。しかし、完全に同じというわけではなく、吸湿性や強度など、細かな特徴は異なります。

ウールマークについて

ウールには羊毛が使われていますが、羊から刈り取ったばかりの「新毛」が使われている割合によっても品質が変わってきます。その品質のレベルを見分けること、さらに良質なウールであることの証明としても役立っているのが「ウールマーク」です。

ウールマークはオーストラリアン・ウール・イノベーション (AWI) による登録商標で、世界のおよそ140ヶ国で使われている共通のマークです。ウールマークには3種類あり、AWIが定める厳しい基準をクリアした良質なウール製品にのみ使われています。

3種類のウールマークの特徴

ウールマークは、新毛の混率によって3つの種類に分けられます。それぞれのマークの特徴を押さえておきましょう。

  • ウールマーク
    羊から刈り取ったばかりの新毛100%の「ウールマーク」
  • ウールマークブレンド
    新毛が50%以上混ざった「ウールマーク・ブレンド」
  • ウールブレンド
    新毛を30~50%含む「ウール・ブレンド」

最も上質なウール製品は「ウールマーク」が付いているものです。ただし、どのマークも良質なウールであることの証明であるため、これらのマークの有無によって信頼できるウール製品かどうかを簡単に目利きできます。

ウールカーテンならでは魅力

ウールはセーターなどの洋服に多く使われていますが、その優れた機能性やお手入れのしやすさから、カーテンなどのファブリック製品にも適した素材です。その魅力を楽しんでいただくために、WARDROBE sangetsuではウールが使用されているオーダーカーテンを取り扱っています。

ウールカーテンの魅力は、なんといってもふっくらと弾力がある上質な肌触りです。カーテン素材に取り入れると温かみのあるお部屋に仕上がり、保温効果も高いので冬でも快適に過ごせます。基本的には秋冬におすすめですが、年間を通して快適にお使いいただけます。

また、独特な光沢感によってシックな印象を与えられるのも、ウールカーテンならではのメリット。お部屋にウールカーテンをプラスするだけで、ウールのフォーマルスーツを身につけたときのような高級感を演出できます。

このように、ウールカーテンは見た目の美しさと機能性の高さの両方を兼ね備えています。ウール素材のカーテンを選べば、お部屋の心地よさがぐんとアップするでしょう。

ウールカーテンを取り扱う際の正しいお手入れ方法

ウールカーテンは洗い方や保管方法に注意しないと、縮んだり虫食いにあったりする恐れがあります。ウールの上質な素材感をキープするためには、正しい方法でお手入れすることが大切です。ウールカーテンの洗濯方法や保管方法をご紹介するので、ぜひご活用ください。

洗濯は洗濯表示を確認してから

ウールは洗い方が難しい素材のひとつです。毛玉ができる、フェルト状に縮んで硬くなってしまう、風合いが失われるといった恐れがあるため、適切なお手入れ方法でその上質な素材感をキープしましょう。

お手入れをする際は、事前にタグラベルの洗濯表示を確認することが大切です。それぞれのカーテンに適した洗濯表示が記載されているため、長く愛用するにはその指示にしたがう必要があります。

タグラベルに「洗濯可」のマークがあればご家庭でもお洗濯できますが、「洗濯不可」のマークが付いている場合はご家庭でのケアはおすすめできません。お近くのクリーニング店に依頼をして、適切にお手入れをしてもらいましょう。

日頃から汚れをしっかりと落とそう

羊毛からできた天然素材のウールは、虫食いにあいやすい素材でもあります。毎日ホコリを落としたり、汚れがついたらクリーニングに出したりして、日頃からきれいな状態を保つのがウールカーテンの風合いを長持ちさせるコツです。

ウールカーテンを自宅で保管する場合も、虫食いやカビなどを防ぐために汚れはあらかじめ取っておきましょう。清潔な状態にしたら、ジャバラ状にふんわりと折りたたみ、折り目がつかないように大きめの衣装ケースなどに入れて保管することをおすすめします。その際は、防虫剤も一緒に入れておくとよいでしょう。

ウール素材のカーテンで温かみのあるお部屋に

ウール素材のカーテンは、お部屋にやさしい温かみをプラスしてくれます。保温性や吸湿性、シワになりにくい点などうれしい特徴もそろっており、機能面においてもカーテンとして取り入れたい素材といえるでしょう。

さまざまな魅力を持つウールですが、ウールを使ったカーテンは非常に珍しいものです。しかし、WARDROBE sangetsuでは、そんな珍しいウール素材のカーテンをはじめ、クッションやマルチカバーのような、インテリアに取り入れやすいアイテムも取り扱っています。また、生地のサンプルも無料でお取り寄せいただけるので、ウール生地の肌触りや風合いなどを実際に確かめることも可能です。

お部屋の雰囲気を変えてみたいとお考えの方も、新しくカーテンの購入をご検討中の方も、ぜひウール素材も視野に入れながら、上質で心地よい空間創りを目指してみてください。

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