カーテンの遮光率や透過率とは?遮光カーテンを選ぶ際のポイントを解説
カーテンを選ぶ際、機能性を考えて「遮光カーテン」の購入をお考えの方もいるのではないでしょうか。
しかし、一口に遮光カーテンといってもさまざまな種類があります。実際に使ってから「イメージと違った」ということにならないように、遮光に対する知識を押さえて最適なタイプを選びたいところです。
そこで今回は、遮光性や透過性などの基礎知識や、遮光カーテンの特徴を活かした選び方を詳しく解説します。お部屋の用途や目指す雰囲気に合わせて、遮光カーテンを上手に取り入れましょう。
【目次】
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遮光カーテンとは
カーテンには、防炎や遮熱など種類の異なる機能を持つタイプがあります。そのなかで遮光カーテンとは、外からの光を遮ってお部屋の明るさを調節できるカーテンのことです。
普通のカーテンでも、閉めるとお部屋は薄暗くなります。しかし、遮光カーテンのほうが光を遮る効果が高く、昼間の明るい光を調節しやすい点が大きな魅力です。
また、夜の時間帯においても遮光カーテンならではのメリットがあります。普通のカーテンの場合は室内の明かりが外に漏れ、カーテン越しに人影が見えてしまう恐れがありますが、遮光カーテンなら明かりが外に漏れず、室内の人影が見えづらくなります。
つまり、遮光カーテンは睡眠時などお部屋を暗く保ちたいケースはもちろん、プライバシー保護の面においても役立つ便利なアイテムです。
遮光カーテンの等級について
遮光カーテンの基礎知識としてまず覚えておきたい点が、カーテンの遮光度を表す「等級」についてです。等級は遮光3級・2級・1級と3段階あり、NIF(日本インテリアファブリックス協会)による「JIS-L 1055A法(遮光性能試験方法)」によって定められています。
遮光等級 | 遮光率と照度 | 状態表現(NIF法による) |
---|---|---|
遮光1級 | 遮光率:100.00%~99.99% | 光をほとんど通さないため、カーテンを閉めると昼間でも室内を暗くできる |
遮光2級 | 遮光率:99.98%~99.80% | カーテンを閉めるとお部屋は暗くなりますが、人の顔あるいは表情の識別ができる状態 |
遮光3級 | 遮光率:99.79%~99.40% | カーテンを閉めると、薄い暗がり程度までお部屋を暗くできる状態 |
なお、遮光1級はNIF法によってさらに5段階に細分化され、なかには「完全遮光」のカーテンもあります。
ただし、完全遮光のカーテンであっても、レールの隙間などから光が漏れる場合がありますので注意しましょう。
遮光性評価によって分けられる「SD値」について
WARDROBE sangetsuで取り扱っている遮光カーテンには、「SD1」や「SD2」のように、SD値と呼ばれる表示が記載されています。これは、NIF(日本インテリアファブリックス協会)の遮光性試験で測られた遮光率をもとにランク分けをした、自社独自の指標です。
SD値のランクはSD1~SD7まで7段階あり、SD1・SD2・SD3はそれぞれNIFが定めるカ-テン遮光性能1級・2級・3級に対応しています。また、遮光3級以降についても、下表のようにSD4・SD5・SD6・SD7と分類しています。
遮光性評価(自社基準) | 遮光等級(NIF基準) | 遮光率※NIFの遮光性試験に基づく |
---|---|---|
SD1 | 遮光1級 | 100.00%~99.99% |
SD2 | 遮光2級 | 99.98%~99.80% |
SD3 | 遮光3級 | 99.79%~99.40% |
SD4 | 99.39%~98.00% | |
SD5 | 97.99%~95.00% | |
SD6 | 94.99%~92.00% | |
SD7 | 91.99%~89.00% |
つまり、SD値は遮光等級と同じように、数字が若いほど遮光率が高い状態を表しています。たとえば寝室などのできるだけ光を入れたくないお部屋には、遮光率の高いSD1~SD3の遮光カーテンが望ましいでしょう。
SD1とSD5ではどのくらいの違いがある?
遮光率によるランク分けについてご紹介しましたが、遮光率の数値を見ても、実際にどのくらいの差があるのかイメージしづらいかもしれません。そこで、遮光性の数値がSD1(遮光率 100.00~99.99%)とSD5(遮光率 97.99~95.00%)のドレープカーテンを比較して、光の漏れ方にどのくらい差があるのか見てみましょう。
外から見たときの室内の様子を比較するため、掃き出し窓のあるお部屋に以下のように人形と観葉植物を設置。夜の光の具合を再現し、見え方を検証しました。
※記載値は測定値であり、保証値ではありません。
遮光1級レベルのSD1のカーテンでは、人影をほとんど確認できません。遮光3級に値するSD3のカーテンではシルエットがうっすらと見える程度で、SD5のカーテンでは人影や観葉植物の影がかなりくっきりと浮かび上がっています。
このように、SD1とSD5とでは光の漏れ方が大きく異なります。遮光効果についてはもちろん、プライバシー面においてもしっかりと検討して生地をセレクトしましょう。
透過性評価によって分けられる「TP値」について
SD値のほかに、「TP値」と呼ばれるサンゲツ独自の基準があります。TP値とは、窓の外から中を見たときの透過性を評価する指標です。
この指標を見ることで、薄手のカ-テンが掛けられた窓を外から見たときの室内の見え方がわかります。以下のように、NIFの遮光性試験で測られた遮光率をもとに透過率(100-遮光率)を算出し、TP6~TP1までランク分けをしました。
透過性評価(自社基準) | 透過率(100-遮光率) |
---|---|
TP6 | 11.01%~15.00% |
TP5 | 15.01%~25.00% |
TP4 | 25.01%~35.00% |
TP3 | 35.01%~45.00% |
TP2 | 45.01%~55.00% |
TP1 | 55.01%~ |
TP値が高いほど透過率が低く、光を通しにくい状態を表しています。レースカーテンやシアーカーテンを選ぶ際は、ぜひこのTP値を基準にセレクトしてみてください。
TP2とTP5ではどのくらいの違いがある?
透過率についても、ランクの違いによる実際の見え方の差をしっかりと把握しておくことが大切です。そこで、透過性の数値がTP5(透過率 15.01~25.00%)と TP2(透過率 45.01~55.00%)のレースカーテンを比較して、透過性にどのくらい差があるのかチェックしてみましょう。
こちらも外から見たときの室内の様子を比較するため、掃き出し窓のあるお部屋に以下のように人形と観葉植物を設置。昼間の光の具合を再現し、見え方を検証しました。
※記載値は測定値であり、保証値ではありません。
TP5のカーテン(上記2タイプ)では、室内に人が立っていることはほとんどわからず、観葉植物もうっすらとシルエットがわかる程度です。一方でTP2のカーテンでは、人影・観葉植物ともに透けて見えています。
この検証からわかるように、TP5のカーテンとTP2のカーテンとでは昼間の室内の見え方がまったく異なります。レースカーテンなど薄地のカーテンを選ぶ際は、プライバシーを配慮して透過性に注目しながら選ぶとよいでしょう。
「ミラー効果」が取り入れられたカーテンもある
外から室内が見えにくいように、ミラー効果が取り入れられたカーテンもあります。ミラー効果とは、カーテンの裏地にブライト糸を編み込んで光を反射させることで、室内の様子を見えにくくする効果のことです。
この効果を持つミラーカーテンなら、昼間の光を採り入れつつもプライバシーを守れます。ただし、夜は電気をつけると普通のカーテンと同様に室内の様子が見えやすくなるため、ドレープカーテンを使用するなどしましょう。
遮光カーテンはどのようなお部屋におすすめ?
最後に、遮光カーテンが向いているお部屋の特徴を押さえておきましょう。
遮光カーテンがおすすめなお部屋は、子ども部屋や寝室など、外からの視線を遮りプライバシーを守りたいお部屋です。また、道路に面していて道行く人の視線が気になるお部屋や、家族が集まるリビングにも活用しやすいでしょう。
さらに、強い光が差し込む書斎などに配置すれば、家具や本などの日焼け防止も期待できます。
ただし、遮光1級のカーテンともなると光がほとんど入らないため、室内が暗くなりやすい点に注意したいところ。特に暗い色を選ぶとさらに暗く感じるため、ほどよく光を取り入れたい場合は遮光級を下げたり、明るめのカラーを選んだりと工夫することをおすすめします。
遮光カーテンの特徴を知ってカーテン選びをスマートに
カーテンはデザインのおしゃれさだけでなく、遮光性などの機能面にも注目して選ぶことが大切です。
ここでご紹介した遮光カーテンは種類が豊富ですが、等級などの基礎知識を押さえておくとスマートに選べるでしょう。特にSD値やTP値は、ドレープカーテンやレースカーテンの遮光・透過レベルを把握できる指標なので、選ぶ際にぜひお役立てください。
WARDROBE Sangetsuでは、さまざまなタイプからお好みの遮光カーテンをセレクトできます。お部屋の雰囲気や用途に合わせて、ぜひ自分だけの遮光カーテンをオーダーしましょう。